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原子力トピックス

【あとむニュース】10月後半

福井県内の原子力ニュース
10月16日原子力規制委が高浜発電所1号機の50年超運転を認可
関西電力㈱は、高浜発電所1号機の50年を超える運転について、16日に原子力規制庁から、今後10年間に必要な保全対策について認可を受けました。50年を超える原子力発電所の運転は、国内では初となります。

高浜発電所1号機
(写真右端の建屋)
10月23日
(16日・30日)
杉本知事が基本政策分科会に出席
杉本知事は23日、経済産業省で開かれた総合資源エネルギー調査会基本政策分科会に出席しました。会議の中で知事は「青森県六ケ所村の再処理工場について、政府として責任を持って取り組む必要がある」など意見を述べました。
また、16日・30日には総合資源エネルギー調査会原子力小委員会※1が開催され、杉本知事は委員として、低レベル放射性廃棄物の処分場の確保について国が関与を強めること、地域の振興や課題解決への取り組み強化を次期エネルギー基本計画に明記することなどをまとめた意見書を提出しました。

基本政策分科会(杉本知事はオンラインで出席)
10月25日原子力総合防災訓練を実施(1日目)
10月25日・26日の2日間、関西電力㈱大飯原子力発電所を対象とした福井県原子力総合防災訓練※2が実施され、おおい地域の広域避難計画に基づく避難手順の確認が行われました。
初日の25日は、大飯原子力防災センターでの現地対策本部運営訓練や、災害対策本部(福井県庁)と現地対策本部をテレビ会議でつないだ県災害対策本部運営訓練などが行われました。

県対策本部会議の様子
10月26日原子力総合防災訓練を実施(2日目)
26日の訓練では、大飯発電所の30km圏内の住人約6670人が参加し、県内外への広域避難や屋内退避訓練を行いました。訓練では、今年1月の能登半島沖地震で道路が寸断されたことを踏まえ、ヘリやゴムボート、遊漁船など、さまざまな手段を活用した避難が行われました。

ゴムボートを使った避難の様子
※1 経済産業省により設置された原子力に関する有識者会議。エネルギー基本計画において示された原子力分野に関する方針を具体化するために必要な措置などについて検討します。
※2 福井県内の原子力発電所を対象に、県が毎年開催している訓練。今年は、国、京都府、滋賀県、兵庫県、関係市町、電気事業者、自衛隊など約100機関約2000名、住民約6670名が参加。
日本国内の原子力ニュース
10月22日原子力規制委員会が島根発電所2号機の特重施設を認可
原子力規制委員会は、中国電力㈱の島根2号機の特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置について、新規制基準に適合していることを確認し、同社の申請を認可しました。特重施設は、テロや重大事故などにより炉心が損傷した場合に、放射性物質の放出を抑制するための施設で、緊急時制御室、発電機や送水設備などが設置されています。

特重施設のイメージ
10月29日女川発電所2号機が再稼働
東北電力㈱女川発電所2号機が10月29日に原子炉を起動しました。新規制基準が定められた2013年以降では、福島第一原子力発電所と同じ沸騰水型軽水炉(キーワード)の再稼働としては初となり、また東日本での再稼働も初となります。
【追記】同発電所は原子炉起動後の検査中に、計測機器の不具合が発生し、11月4日から原子炉を停止しています。

東北電力㈱女川原子力発電所

キーワード:原子炉のタイプ「沸騰水型軽水炉」とは?

原子炉の種類

 原子力発電所の原子炉には、燃料を冷やす冷却材に軽水(普通の水)を使う軽水炉のほか、重水(通常より重い水素を含んだ水)を使う重水炉や、液体ナトリウムを使う高速炉などがあります。

 現在、日本にある商業用の原子力発電所はすべて軽水炉です。軽水炉には大きく分けて、沸騰水型軽水炉(BWR)加圧水型軽水炉(PWR)の2種類があります。

沸騰水型軽水炉(BWR:Boiling Water Reactor)

原子炉で核分裂で発生した熱エネルギーを使って蒸気をつくり、その蒸気で直接タービンを回して電気をつくります。県内の発電所では、現在、廃止措置中の敦賀1号機がこのタイプです。

加圧水型軽水炉(PWR:Pressurized Water Reactor

原子炉内に高い圧力(157気圧)をかけて、水を約320℃の高温状態にします。この水(一次冷却水)を蒸気発生器に送り、別の水(二次冷却水)に熱を伝えて蒸気をつくりタービンを回して発電します。
県内の発電所では、美浜・大飯・高浜の各発電所と敦賀2号機がこのタイプです。

沸騰水型と加圧水型の違い

沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)の大きな違いは、原子炉格納容器内の構造です。BWRは原子炉で発生させた蒸気を直接タービンに当てて発電します。一方、PWRは燃料棒に直接触れる水(一次冷却水)と、そこから熱をもらって蒸気になる水(二次冷却水)が分かれています。PWRでは二次冷却水が燃料棒に触れないため、タービンを回す蒸気に放射性物質が含まれませんが、二次系の配管等が必要になるため、部品点数や点検項目が多くなるなどの特徴があります。