ニュース&トピックス
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原子力トピックス
【あとむニュース】12月
12月の原子力情報をピックアップ!
福井県内の原子力ニュース
12月11日 | 関西電力㈱が緊急時対策所の建設を決定 関西電力㈱は12月11日、原子力災害対策の充実に向けた取り組みとして、「緊急時対策所」を原子力事業本部(美浜町)に建設することを発表しました。同施設は、美浜、大飯、高浜発電所で原子力災害が発生した際、事故収束活動の支援を統括する施設です。 同社は今後、施設の建設に向けた検討を行い、2029年度頃の運用開始を目指しています。 | |
12月16日 12月25日 | 原子力規制委員会が高浜2号機の長期施設管理計画を認可 原子力規制委員会は12月16日、関西電力㈱高浜発電所2号機について、運転開始から40年以降の運転(キーワード)における長期施設管理計画を認可しました。 また、関西電力㈱は12月25日に同2号機の50年以降の運転についても計画を策定し、規制委員会に認可の申請を行いました。 | ![]() 高浜発電所2号機(左) |
12月17日 12月25日 | 立地自治体の意見を国に提言 国のエネルギー政策について議論する経済産業省資源エネルギー庁の基本政策分科会の第67回会合が12月17日、第68回会合が同月25日に開催されました。 委員としてオンライン出席した杉本知事は、17日の会合で示されたエネルギー基本計画の原案について、「2040年度に向けて原子力を最大限活用する方針」が明記されたことに一定の評価をしました。一方で、2050年以降の原子力の必要規模や、その確保に向けた道筋を示すため、議論をより具体化することなどを国に求めました。 | ![]() 基本政策分科会で発言する杉本知事 出典:資源エネルギー庁youtube |
12月27日 | 新年度予算案を文部科学省が県に説明 中村副知事は12月27日、文部科学省の清浦大臣官房審議官と県庁で面談し、「もんじゅ」、「ふげん」の2025年度政府予算案について説明を受けました。説明を受けた副知事は、「もんじゅ」、「ふげん」の安全かつ着実な廃止措置の実施、地域振興の充実などについて、政府一体となって取り組むよう求めました。 | ![]() 高速増殖炉原型炉もんじゅ |
日本国内の原子力ニュース
キーワード:「原子力発電所の40年超運転」とは?
2025年6月から新制度へ移行
原子力発電所の運転期間は、2012年に改正された原子炉等規制法により、運転開始から40年間が原則とされ、その満了までに原子力規制委員会の認可を受けた場合には、1回に限り最大20年の延長が可能です。
また、2023年5月に可決されたGX脱炭素電源法※1(25年6月6日から施行)では、
- 運転開始から30年を超えて運転しようとする場合は、10年以内毎に設備の劣化に関する技術的評価を行うこと。
- その結果に基づき長期施設管理計画を作成し、原子力規制委員会の認可を受けること。
- 運転期間は40年を原則とし、1)安定供給の確保、2)GX※2への貢献、3)自主的安全性向上や防災対策の不断の改善について、経済産業大臣の認可を受けた場合に限り、延長を認めること。
- 延長期間は20年とした上で、原子力規制委員会の審査や裁判所の判断などで運転を停止した期間は運転期間に含めないこと。
などが定められています。
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※1 GX脱炭素電源法:脱炭素電源の利用促進を図りつつ、電気の安定供給を確保するため、原子力基本法や電気事業法などの一部を改正する法律。正式名称は「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」。
※2 GX:グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)の略。従来の化石エネルギー(石炭や石油など)中心の産業構造・社会構造から、CO2を排出しないクリーンエネルギーに転換すること。
関西電力㈱高浜2号機(1975年11月14日運転開始)では、2025年11月14日までが40~50年目、11月14日以降が50年目以降の運転期間に該当するため、それぞれの期間について長期施設管理計画を作成し、原子力規制委員会からの認可を受ける必要があります。
また、同社は高浜発電所1号機(1974年11月14日運転開始)の長期施設管理計画について、昨年10月24日に原子力規制委員会に認可申請を行っています。