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放射線の基礎知識Ⅰ
放射線の基礎知識Ⅰ
放射線って何だろう?
放射線と放射能の違い
放射線を出す物質のことを放射性物質といい、 放射性物質が放射線を出す能力のことを放射能といいます。 これらの関係を電球と光に例えると、光が放射線、光を出す電球が放射性物質、光を出す能力が放射能にあたります。
放射線の発生
地球にある全てのものは「原子」からできています。原子の中には不安定な状態で存在しているもの(放射性物質)があり、これらは 安定した状態になるときにエネルギーを出します。 この時のエネルギーが「放射線」です。不安定な原子が放射線を出すと別の原子になります。例えば、野菜や肉、私たちの体の中など自然界にあるカリウム40は、放射線(ベータ線やガンマ線)を出して、放射線を出さないカルシウム40やアルゴン40の原子になります。
放射線の種類と透過力の違い
放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線などの種類があります。
それらは、 大きく「粒子線」と「電磁波」の2種類に分けられます。 放射線は、種類によって、物を透過する力が違います。
アルファ線
放射性物質から飛び出したプラスの電気を持った重い粒子。空気中で数センチ飛ぶと止まり、紙1枚で止められる。
ベータ線
放射性物質から飛び出したマイナスの電気を持った軽い粒子(電子)。空気中で数メートル飛ぶと止まり、アルミ板程度の金属で止められる。
ガンマ線・エックス線
放射性物質から飛び出した電磁波(光や電波と同じような性質)で、透過力が強い。鉛板やコンクリートで止められる。
中性子線
ウランなどが核分裂する時に飛び出す電気的に中性の粒子で透過力が強い。コンクリートや水で止められる。
放射能の減り方
放射能は時間とともに減っていきます。放射性物質が持つ放射能の強さが、半分になる時間を半減期といい、その減り方は原子核の種類によって様々です。
放射線の単位
放射線や放射能の単位は、主にベクレル(Bq)、グレイ(Gy)、シーベルト(Sv)の3つです。
ベクレルは、放射性物質が放射線を出す能力(放射能の強さ)を表します。1ベクレルは、1秒間に1個の原子核が壊れること(このときに放射線が放出)です。グレイは、放射線が物質に当たったときに、物質が吸収するエネルギー量を表します。シーベルトは、放射線が人体に与える影響の大きさを表す単位です。
放射線の利用
放射線には、ものを通り抜ける性質や、フィルムを感光させる働き、物質を変質させる働きなどがあります。放射線は、これらの性質を活かして、いろいろな分野で利用されています。